下黒田のいえ(ガンギテラスのある家)
■建築場所:富山県高岡市
■敷地面積:336.77㎡ (101.67坪)
■建築面積:106.53㎡ ( 32.16坪)
■延床面積:195.23㎡ ( 58.94坪)
■構造規模:木造軸組構法・2階建て
■断熱仕様:UA値 0.56 W/(㎡・K)≦基準値0.87
ηA値 2.20 % ≦基準値3.00
断熱性能等級 等級4
一次エネルギー消費量等級 等級5
■竣工年月:令和3年5月
■施 工:オープンシステムによるCM分離発注方式
ご夫婦・娘さん・ご主人のご両親の5人が生活する2世帯3世代のための住宅計画です。
1階を親世帯、2階を子世帯で分ける構成で、玄関は共通となっています。
5人が住まう2世帯住宅としては決して大きいとは言えない床面積ですが、将来的な変化も見据えて極力無駄がなくなるように住まい手さんと一緒にプランニングを考えた結果です。大きな住宅は、結果的に無駄が生まれやすくメンテナンスにもお金が掛かるようになるのは簡単に想像できるところで、2世帯住宅であっても出来るだけコンパクトな面積で計画することは合理的な選択だと言えます。
そんな合理的な計画の中にも、雨が多く積雪もある富山の環境下で生活しやすく、また心豊かに住まうことが出来るように、二つの仕組みを設けました。
一つ目は、屋根のある半屋外の「ガンギテラス」です。内部と外部を緩やかにつなげるその視覚的効果から生活に落ち着きが生れます。また、除雪道具や庭作業道具の一次的な置き場にも使えるという利便性もあり、板張り外壁の保護の効果も大きく、この住まいにとっては非常に存在価値の大きな要素となっています。
そして二つ目は2階階段ホールに設けた「トップライト(天窓)」です。暗くなりがちな中廊下・中階段に光を落とし、住まいの中心部に特別な雰囲気を持った空間をつくろうと考えました。トップライト下には富山県産スギを使った天井ルーバーを設けて光を乱反射させることで、より印象的に柔らかな自然光を感じられる様に工夫しました。
1階の天井では富山県産スギ構造材の木組みと間接照明とを併用して落ち着いたナチュラルな空間とし、また2階は白い天井・壁で構成されるシンプルでミニマルな空間として、世帯ごとで空間印象が変わるようにデザインしました。
2世帯住宅に対するA+Aの提案が詰まった住まいです。