天竺温泉の郷エントランス改修

■建築場所 ：富山県南砺市
■改修内容 ：エントランス開口部の装飾
■竣工年月 ：平成30年5月
■施　　工 ：建具・・・・株式会社 フシキ
　　　　　　 電気設備・・有限会社 松田電機店
■素材提供 ：しけ絹・・・株式会社 松井機業
　　　　　　 悠久紙・・・東中江和紙加工生産組合
　　　　　　 県産杉材・・有限会社 長島木材

富山県南砺市利賀村にある温泉施設「天竺温泉の郷」のエントランス部分の改修工事です。
依頼内容は、エントランスロビー部分につくられた「囲炉裏櫓」の背面の大きなガラス面の装飾を考えてほしいというもの。
背面に「利賀らしい」デザインの装飾を加えて囲炉裏のある空間をより魅力的にすることが必要で、「富山の素材を活用した富山らしいデザイン」を日頃から考えている弊所にとっては大変やり甲斐のある依頼でした。
利賀における、古くからの地場産業であった、林業・和紙製作・養蚕をイメージできるものとして、「五箇山の悠久紙」と「城端のしけ絹」、そして「富山県産杉材」を使った障子戸を装飾デザインの解答としてご提案しました。
既存のアルミサッシ面に障子戸を入れて間接照明を仕込むという極めてシンプルな計画ですが、 そこには多くの人が関り、影響し合っています。
また当事務所にとって富山の素材の魅力の再発見にもなりました。素晴らしい食材には余計な味付けが必要ないように、素晴らしい素材にはシンプルな意匠が似合います。
天竺温泉を訪れる来客の方々は、この障子戸のスクリーンをどう評価してくれるのでしょうか。その素朴な素材感から、利賀の、南砺市の歴史や手作業の温もりを少しでも感じていただけること、期待してやみません。
この小さなプロジェクトに関わった人々の気持ちが、天竺温泉を訪れる方々の心に届きますように。