小さな公民館
■建築場所:富山県富山市
■敷地面積:126.09㎡ ( 38.07坪)
■建築面積: 62.94㎡ ( 19.00坪)
■延床面積: 58.80㎡ ( 17.75坪)
■構造規模:木造軸組構法・2階建て
■構造仕様:耐震等級2レベル
■断熱仕様:一次エネルギー消費性能BEI=0.94
      ※非住宅の省エネ基準を満たす
      UA 値 0.85 W/(㎡・K)
      ηAC値 2.30 %  
■竣工年月:令和3年4月
■施  工:オープンシステムによるCM分離発注方式
地域公民館の建て替え計画です。
河川に架かる橋の架け替えに伴う前面道路の位置変更という特殊な状況により、敷地の約半分を新たな前面道路用地として県に譲渡することになりました。
町内会の依頼により、残された小さな敷地での建設計画が可能か、という検討からこのプロジェクトは始まりました。
住民が減少傾向にあり「公民館を持たない」という選択肢もある中で、それでも町内会として活動の拠点を持つことを選ばれました。これには、活動を行いやすくするということは当然ながら、小さなコミュニティの心の拠り所を残すという意味があると設計者として認識し、町内の皆さんに喜んでいただける「場」となるようにプロジェクトに取り組みました。
残された敷地形状から建物は細長い平面形状を成し、落雪対策も考慮して軒のない箱型の外形が導き出されました。従来の「公民館」のイメージに囚われず、外から眺めていても、中で活動していて、爽やかで明るい気持ちになれる清潔感のあるデザインを目指し、更にコストバランスにも配慮して色彩や素材を選択しました。
また非住宅(集会施設)に求められる省エネ性能をクリアし、耐震性能は弊所が最低限の基準とする耐震等級2レベルをクリアする構造仕様とすることで、町内の財産となる建物に相応しい性能としています。